ストーリー
彼女が本当に求めていた幸せは…

昔々あるところで。光り輝く竹を見つけた翁(地井武男)が竹を切ると、その中から小さく美しい姫君が現れた。姫を家に連れ帰った翁は、媼(宮本信子)とともに彼女を育てることに。急激な速度で成長し半年ほどで少女になった姫(朝倉あき)は、近所の子供たちのリーダー的存在の捨丸(高良健吾)らから“たけのこ”と呼ばれ、元気いっぱいに野山を駆け回って暮らしていた。

そんなある日、翁の前に再び光り輝く竹が現れた。大量の小判と美しい衣装を手にした翁は、この衣装に見合う娘に姫を育てようと都への移住を決める。都に引っ越した姫は教育係の相模(高畑淳子)のもとで、“高貴の姫君”にふさわしい教養や振る舞いを身につけることになる。相模の厳しい言いつけを無視し、自分らしく自由に振る舞い続ける姫を媼は温かく見守っていた。ある日、姫が大人になったことを知った翁は斎部秋田(立川志の輔)に名づけを依頼する。
姫の美しさに胸を打たれた斎部秋田は、姫を「なよたけのかぐや姫」と命名し、披露の宴が盛大に執り行われることになる。その宴で姫が発見したのは、華やかな衣装に身を包みながら、御簾の中に座っているだけの自分。都の窮屈な生活と欲まみれの男たちに嫌気がさした姫は、故郷の山に向かって一目散に走り出す…。山に住む炭焼きの老人(仲代達矢)から、捨丸たちがこの地を後にしたと聞き絶望した姫は、翌日から人が変わったように翁の望む“姫君”として振る舞い始めた。姫のウワサを耳にした男たちが求婚に訪れる中、姫は5人の公達に想像もつかない結婚の条件を突きつける―!
