春休み2週連続ジブリ!4月3日(金)よる9時からは「思い出のマーニー」を本編ノーカットでお届けします。
養母の愛を信じられずに育った少女・杏奈が、喘息の療養のためにある町にやってくる。入り江の向こうに建つ洋館になぜか心惹かれた杏奈は、そこで美しい少女・マーニーと出会い…。寂しさを抱えて生きてきた杏奈が、マーニーと友情を育む中で少しずつ明るさを取り戻していく様を、瑞々しく描出。2人のヒロインの声を演じる高月彩良と有村架純をはじめ、松嶋菜々子、寺島進、森山良子、吉行和子、黒木瞳ら豪華キャストの演技も必聴だ。どこか懐かしく、心が温まる2人の少女の感動のファンタジー。
今回は「思い出のマーニー」のトリビア第2弾をお届け!貴重なエピソードをまとめましたのでぜひ放送とあわせてお楽しみください。
①両親
パーティーのシーンで出てくる紫色のドレスの婦人がマーニーのお母さん、杏奈に飲み物を差し出してくれる紳士がマーニーのお父さんです。とても美しい絵になる二人ですが、マーニーへの関心は薄く、子育ては使用人にまかせっきりです。
②作ってみたい
「借りぐらしのアリエッティ」後、もう一度監督をやりたいと申し出ていた米林監督ですが、実は「思い出のマーニー」の監督をする話は一度断っているそうです!原作を読んで、面白いけどアニメーションで描くのは難しいと感じたからなんだそうです。それでも試しにイメージボードを描いてみると、段々作ってみたいという気持ちが芽生えていったということです。
③参考資料
鈴木俊夫プロデューサーは、参考資料として『子どもの本を読む』という河合隼雄さんの本にあった「マーニー」の考察を脚本の丹羽さんに渡していたそうです。河合さんは心理学者として様々な著書を残しています。マーニーファンの皆様、チェックしてみるといいかもしれませんよ!
④絵を描く少女
原作との違いのひとつが、杏奈が絵を描く女の子になったこと。米林監督は、杏奈が絵を描くことで、その時の視線や姿勢、絵の内容で心の中を表現できるんじゃないかと考えたそうです。原作で久子の元になったのはギリーおばさんというキャラクターで、彼女はもともと絵を描く女性だったそうです。杏奈と久子に共通点ができれば、二人のつながりがより強く描けるのでは…という思いもあったそうですよ。
⑤ともだち
米林監督によると、彩香(さやか)は、マーニーがいなくなっても杏奈は大丈夫だと思わせてくれる重要な存在なのだそうです。「彩香は、マーニーが開けられなかった青い窓をいとも簡単に開けることで物語に突然登場します。友達というものは、そんな感じなのかなと」
⑥プリシラ
原作では彩香は5人兄弟の3番目でプリシラという名前なんです。主題歌を担当しているプリシラ・アーンさんと同じ名前なんですね!何か運命を感じます…!
⑦キノコの名前は…
杏奈とマーニーが森でとっていた鮮やかな黄色のキノコ。タモギタケといって、日本では北海道や東北によく見られます。
⑧意地悪ねえや
マーニーに意地悪をする双子のねえや。まったく同じ顔に見えますが、髪の分け目と目元のほくろが左右逆になっているんですよ!
⑨サイロの秘密
物語に登場するサイロは、原作では風車だったそうです。しかし、日本では原作に出てくるような風車で実用のものは存在しないそうで、北海道という舞台にぴったりなサイロに変更したそうですよ!
⑩彩香(さやか)の声
マーニー役の有村架純さんが一番印象に残っているキャラクターは彩香とのこと。「杏奈ちゃーん」と呼ぶ姿が印象的だったそうで、杏奈役の高月彩良さんも、完成した映画で彩香を観て、「あ、こんな声なんだ。かわいい!」と思ったそうです。そんな彩香の声を演じているのは杉咲花さん。米林宏昌監督作品(スタジオポノック)の「メアリと魔女の花」でヒロイン・メアリの声を演じています。
⑪成長の証
マーニーという存在は、杏奈が現実世界での生活に意識を向けると消えてしまいます。雷の夜、マーニーのためにサイロへ向かうシーンでは、杏奈の頼もしさが初めて見られますが、実際は、それがマーニーが消えてしまうきっかけになっています。杏奈が強さを身に着けて、マーニーの存在がなくても生きていけるようになったということなんだそうです。
⑫コラボレーション
米林監督と作画監督の安藤雅司さんについて、プロデューサーの西村義明さんは「上手くいくかどうか危惧していました」と話しています。米林監督はダイナミックに誇張を含んだ飛躍したアニメーションをやる人で、安藤さんはリアリズムの作画の人、というイメージがあったからなのだといいます。安藤さんには「ぶつかった時は麻呂さん(米林監督)を立ててくれますか?」と聞いていたそうなのですが、「僕にもやりたいことがあるから、それは約束できません」との即答!結局は二人で意見交換しながら素晴らしいコンビネーションを見せていたそうです。
⑬問題を抱える声
杏奈役が高月彩良さんに決まったのは、米林監督と西村プロデューサーが「彼女の声には問題がある」と感じたことが理由なんだそうです!とは言ってもこれは高月さんに問題があるということではなく、「問題を抱えている声」のように聞こえて、この声の持ち主が映画の中で心を解放していったら深い感動が味わえるんじゃないか、という考えから選ばれたそうですよ。
⑭家庭環境
脚本の丹羽圭子さんは、マーニーの家庭環境を独自に色々考えた上で脚本を執筆したそうです。それによると、マーニーのお父さんは欧米の商社に勤めていて、日本に来た時にパーティーで知り合った日本人女性と結婚しマーニーが誕生した、と考えたのだとか。最初は、マーニーのお父さんは本国に妻子がいるという設定も考えたそうです…! もしそのままだったらとても複雑な家庭環境になるところでした…。
⑮共演シーン
マーニー役の有村架純さん、杏奈役の高月彩良さんがアフレコをしたときはほかの出演者の声はまだ収録されていなかったそうです。唯一、高月さんの森山良子さんとの共演シーンだけは後からもう一度録り直しているそうですよ!二人のシーン、注目です!
⑯アフレコ秘話
久子を演じた黒木瞳さんは、アフレコの初日に参加したそうで、当日は黒木さんよりも米林監督のほうが緊張していたそうです。長セリフの多いキャラクターですが、一回映像を見ただけでタイミングがばっちりだったそうですよ。唯一何度も録り直したのが「あなたもマーニーに会ったのね」というセリフ。じっくり聴いてみてください!
⑰巨匠2人から
宮崎駿監督は、映画を最後まで観ないで10分ぐらいで出て行ってしまうことが多いそうなのですが、西村義明プロデューサーによると「思い出のマーニー」は最後まで観て「麻呂(米林監督)はよく頑張った」と褒めていたそうです。さらに、高畑勲監督はA4用紙2枚にわたる長いメールを西村さんに送り、その中で米林監督を称賛したそうです!巨匠二人をうならせた米林監督…さすがです!
いかがでしたか?
世界で称賛された2人の少女の友情物語「思い出のマーニー」は4月3日(金)よる9時から放送です。ぜひご家族揃ってお楽しみください。
「思い出のマーニー」のトリビアは第1弾も公開中ですので、そちらもチェックしてみてくださいね!