春休み2週連続ジブリ!第2夜に登場するのは、「メアリと魔女の花」などの米林宏昌監督が手掛け、アカデミー賞にノミネートされた少女の友情物語「思い出のマーニー」です。
養母の愛を信じられずに育った少女・杏奈が、喘息の療養のためにある町にやってくる。入り江の向こうに建つ洋館になぜか心惹かれた杏奈は、そこで美しい少女・マーニーと出会い…。寂しさを抱えて生きてきた杏奈が、マーニーと友情を育む中で少しずつ明るさを取り戻していく様を、瑞々しく描出。2人のヒロインの声を演じる高月彩良と有村架純をはじめ、松嶋菜々子、寺島進、森山良子、吉行和子、黒木瞳ら豪華キャストの演技も必聴だ。どこか懐かしく、心が温まる2人の少女の感動のファンタジー。
今回は4月3日(金)よる9時放送「思い出のマーニー」のトリビア第1弾をお届け!作品をみたことがある人もない人もぜひチェックしてみてください。もっと放送が楽しめますよ!
①母
杏奈の養母・頼子を演じたのは松嶋菜々子さん。
頼子と杏奈、どちらの気持ちも疑問を感じずに理解することが出来たそうで、公開前のインタビューでは「完成した作品を娘たちと一緒に観られたら嬉しいです」と話していました。温かいお母さんの眼差しを感じます。
②北海道出身のあの人たちが…
本作の舞台となった北海道が生んだスター、大泉洋さんらTEAM NACSの5人が作中で大活躍しています!
それぞれ、美術教師を森崎博之さん、十一(といち)を安田顕さん、マーニーの父を戸次重幸さん、山下医師を大泉洋さん、町内会役員を音尾琢真さんが演じているのですが…実はそれだけじゃないんです!子どもを除いたサブの男性の役はほとんどTEAM NACSの皆さんで、5人で20役近くを演じ分けています!探してみてください!
③写真の中の笑顔
杏奈が小さいころに撮られた写真。今の杏奈と違って、はつらつとした笑顔を見せています。実はこのカット、製作段階では今より短い時間になっていたんですって。米林監督が、過去の杏奈と今の杏奈の違いを印象付けるために長めに調整しなおしたそうです。
④同じ人物が…
大岩家に向かう時の最寄駅は「岸崎別駅」。小さな駅で利用者は少ないようですが…実は杏奈が到着するシーンと頼子が到着するシーンでは同じおばあちゃんが登場してるんですよー!ぜひ放送でチェックしてみてくださいね!
⑤舞台
制作初期、「思い出のマーニー」の原作がもともと大好きだった宮崎駿さんは頻繁に色々な提案をしていたそうです。そこで、一度しっかりと宮崎さんの話を聞く機会をつくったということですが…宮崎さんのイメージでは舞台は「瀬戸内」。お話は聞きながらも、最終的には米林監督のイメージに合わせて「北海道」を舞台に制作されました。そもそも「風立ちぬ」制作中だった宮崎さんは、以後、自作に専念するようになったそうです。
⑥無口キャラの生みの親
“だんまり十一(といち)”の生みの親は作画監督の安藤雅司さんでした。実は当初、十一にももっとセリフがあって、「潮の満ち引きに気いつけな」など、杏奈を思いやるセリフを言うシーンもあったそうですが、“優しい”言葉をかけてくれる大人は杏奈にとってプレッシャーになって、打ち解けることができないのでは…と考えたそうです。杏奈と同じく、人の輪の中から外れた“外側の人間”であることが重要だったとのこと。寡黙でもどこかあたたかくて、素敵なキャラクターですよね! ちなみに安藤さんは “もののけ姫”“千と千尋の神隠し”の作画監督で、“マーニー”で久々にジブリ作品の作画監督を担当しました。
⑦旦那さん
大岩家の旦那さん・清正を演じたのは寺島進さんです。演じていて楽しかったシーンは「食いしん坊だから食べるシーンが好きなんです」とのことで、「ご飯を食べるシーン」だったそうです。
⑧屋敷のモデル
水辺にたたずむ「湿っ地(しめっち)屋敷」の外観は、米林監督が制作初期に描いたイメージスケッチでは軽井沢の別荘を参考にしたりもしましたが、映画に出てくる建物は、美術監督の種田陽平さんが色んな建築物を踏まえて作りだしたオリジナルのデザインです。同じ洋館でも北海道にある洋館はまた作りに特徴があるそうで、湿っ地屋敷はその点も意識して作られています。種田さんはもともと実写畑で世界的に著名な美術監督で、本作でも立体模型を作って建物のスケールを検証したり、カメラアングルを考えたりと、実写の美術の手法も採り入れて作業を進めました。
⑨七夕祭り
杏奈が参加することになった七夕祭りは、神社の祭壇にロウソクを奉納し、願い事を書いた短冊を笹に結ぶと願いがかなうと言われている設定になっています。提灯を持った子どもたちが民家を訪ねてお菓子をもらう風習もあります。
⑩「ガヤ」の声もあの人たちが…
ちなみにパーティーのガヤ(周囲の人たちの声)も神社のガヤもTEAM NACSの皆さんが参加しているそうですが、すぐに遊び始めてしまってNGを出さざるを得なかったとのこと。(神社で飲みすぎて…というキャラクターが突然現れたり)とにかく面白い収録だったそうです!参加してみたい!
⑪原作から日本の名前に
原作のキャラクターの名前を日本の名前に直したのは脚本の丹羽圭子さんでした。それぞれ原作のイメージを少し残していて、十一の名前は原作のワンタメニーが11番目の子という意味だったことから、信子のお母さん・角屋夫人は、「かどっこやしき」に住んでいると書かれていたからなんですって!
ちなみに信子の名前は「何となく」だそうです。原作ではサンドラという意地悪な女の子です。
⑫浴衣のゆれ方
杏奈が浴衣姿でボートをこぐシーン。米林監督はその時の浴衣の袖の揺れ方、模様の動き方がどうなるのか気になりました。
たまたま若手原画マンが杏奈と同じ色の浴衣を持っていたので、学生時代にボート部だった原画マンと一緒にボートロケを行い、実際にボートの上で実演してもらい録画した映像を参考にしたそうです。
⑬マーニーと杏奈の声優を決めるためのオーディションで見せた凄さとは!?
マーニーと杏奈の声優を決めるためのオーディションには300人におよぶ候補者が集まっていたそうです。実は、有村架純さんは初日のトップバッターでした。米林監督は一人目にして「いきなり、彼女は行けるんじゃないかと思わされました」と語っています。
⑭スタジオジブリ作品の声優希望
大岩家の奥さん・セツを演じたのは根岸季衣さん。
ジブリの仕事をずっとしたいと思っていて、「魔女の宅急便」でキキのお父さん・オキノの声を演じた三浦浩一さんが自ら立候補したという話を本人から聞いて、出演希望を直接申し入れていたそうです!それから出演が決まるまでには長い時間がかかりましたが、言葉にすると叶うというのは本当なのかもしれません!
⑮オーディション秘話
実は、マーニーと杏奈のキャストを決めるオーディションは、それぞれの役で分けて行ったわけではなく、参加した人全員に両方の役を演じてもらったそうです。その場で二人一組になって、セリフを入れ替えたりしながらのオーディションだったそうです。マーニー役に決まった有村架純さんはどちらの役も完璧に演じていたそうで…アフレコ演出の木村絵理子さんも圧倒されるほどだったそうです!
⑯意地悪キャラの声
マーニーのお目付け役で意地悪なばあやの声を演じたのは吉行和子さんです。アフレコが終わった後でもマーニーと杏奈を演じた二人に意地悪したくなっちゃうほど、役の感覚がご自身の中に残っていたそうですよ。「崖の上のポニョ」で演じたトキさんも心優しいけど意地悪をいうキャラクターで、いいストレス発散になったと笑って回想されていました。
⑰綺麗な花の名は…
花売り娘に扮して屋敷に潜り込んだ杏奈が籠に入れていたのはムシャリンドウという花です。北海道から本州中部地方に分布する山野草で6月~7月に花を咲かせます。
いかがでしたか?
裏話を知ることでまた違った作品の楽しみ方ができるのではないでしょうか。「思い出のマーニー」のトリビアは第2弾もありますのでぜひチェックしてください!
春休み2週連続ジブリ!「思い出のマーニー」は4月3日(金)よる9時から、本編ノーカットでお届けします。ご家族揃ってお楽しみください!