ナウシカを追う蟲
ナウシカさんを追うこのムカデのような蟲(むし)は「ヘビケラ」と呼ばれています。腐海に生息する巨大な翅蟲(はむし)の一種で、少年を地上で襲った「ミノネズミ」の親です。
ナウシカさんを追うこのムカデのような蟲(むし)は「ヘビケラ」と呼ばれています。腐海に生息する巨大な翅蟲(はむし)の一種で、少年を地上で襲った「ミノネズミ」の親です。
ナウシカさんが回想するシーンは、過去の記憶のシーンをより際立たせることを狙って、一つの絵の中にその絵の前後の絵の残像が同時に撮影されました。その結果、スローモーションのように見える独特の映像になっています。さらに背景を撮影する際、上からだけでなく、下から光を当てる「透過光」という技術も駆使され、光溢れる印象的なシーンが完成したのです。
ペジテの生き残りの少年・アスベルさんの声を演じているのは、松田洋治さん。宮崎駿監督の「もののけ姫」では主役のアシタカさんの声を演じています。
トルメキア軍参謀・クロトワさんを演じたのは家弓家正さんです。役を演じるにあたり、クロトワさんについて「野心は持っているようだけれども、決して一生懸命になることはない。この宮崎さんが創った魅力あるキャラクターは、演じていてとても楽しかったですね」と語っています。宮崎監督の作品では「未来少年コナン」のレプカ役なども担当しました。
このペジテという街はエトナ山脈によって腐海と隔てられた工房都市でした。巨神兵の胎児をこの街の地下から掘り出したためにトルメキア軍に占領されてしまいます。
戦車を奪った「城オジ五人衆」の3人、ニガさん、ギックリさん、ゴルさん。ニガ役を「鉄人28号」の敷島博士役で知られる矢田稔さん、腰が悪いギックリを「ヤッターマン」のボヤッキー役などで知られる八奈見乗児さん、そしてゴル役を「ドラゴンボール」の亀仙人役で知られる宮内幸平さんが声を演じました。
ラステルさんの母の声を演じたのは坪井章子さんです。「銀河鉄道999」で主人公・鉄郎の母を演じました。このシーンで、ナウシカさんは幼い頃に亡くなった自分の母親を重ねています。
巨神兵の原画を描いたのは、「エヴァンゲリオン」シリーズの総監督を務めた庵野秀明さん。庵野さんは学生時代に自分が描いた絵を持って本作の制作会社にやってきました。それを見た宮崎監督はすぐに採用を決めたそうです。
制作途中から参加した庵野さんに、宮崎監督はいきなり巨神兵の原画を全て任せました。鈴木プロデューサーはその時の様子を“まるで道場やぶり”だったと語っています。このときから庵野さんと宮崎監督との師弟関係が始まり、「風立ちぬ」の主人公の声に庵野さんを抜擢するなど、2人の親交は今も続いています。
本作の原作漫画はアニメ専門誌「アニメージュ」の連載中に映画化され、その後も何度かの連載中断(主に別の映画を作るため)をはさみながら、さらに10年にわたって連載が続きました。連載が終了したのは、1994年の3月号で、開始から完結まで12年の月日が流れていました。この壮大な物語は完結と同時に日本漫画家協会賞の大賞を受賞し、さらに色々な国の言語で翻訳され、多数の国・地域で販売されてきました。国内だけでも単行本の累計発行部数は1600万部を超えています。
3回にわたってお届けした風の谷のナウシカの制作裏話いかがでしたでしょうか?
新年最初の金曜ロードSHOW!は1月4日(金)「風の谷のナウシカ」をノーカットで放送します。
ご家族揃ってぜひご覧ください。