いよいよ来週公開されるシリーズ最新作にして完結編『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』公開記念として、金曜ロードショーでは「ジュラシック・ワールド」シリーズ前2作を本編ノーカットで今週から2週連続で放送!
今夜9時からは、「ジュラシック・パーク」シリーズの続編にして、前作から14年の月日を経て再スタートした「ジュラシック・ワールド三部作」の第1作『ジュラシック・ワールド』を放送。「ジュラシック・パーク」での惨劇から22年後、イスラ・ヌブラル島に完成した巨大テーマパーク「ジュラシック・ワールド」を舞台に、遺伝子操作によって生み出された新種の恐竜が脱走、人間や恐竜を襲う。出演は、主人公ラプトルの飼育員・オーウェン役に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などのクリス・プラット。
ジュラシック・ワールドの運営管理者クレア役に『マンダレイ』『スパイダーマン3』のブライス・ダラス・ハワード。
日本でも興行収入95.3億の大ヒットを記録。監督は『スターウォーズ』シリーズやスター・トレックシリーズの監督候補にもなるなど注目を受け、本作がまだ長編映画2作目だった新進気鋭のコリン・トレボロウ。
『ジュラシック・ワールド』の見どころを「映画大好き芸人」こがけんが、金曜ロードショーの直前に放送される「まもなく金曜ロードショー」(よる8時54分~/関東ローカル)で解説します!
【こがけん コメント】
今夜の金曜ロードショーは、『ジュラシック・ワールド』シリーズ最新作公開を記念して、その1作目を放送します。来週は2作目も放送しますので、最新作の予習はバッチリですね!
人間の神の真似事をすることへの批判的精神という骨太のメッセージがありながら、エンタメとして面白いのが本作の魅力ですね。
『ジュラシック・ワールド』の魅力とは!?
「人間と恐竜の〝共存〟がテーマになっている」ということではないでしょうか。前シリーズの〝ジュラシック・パーク〟3部作では、シリーズを通し徹底して、DNAから恐竜のクローンを作った身勝手な〝人間の愚かさ〟が描かれていましたが、今作はそれだけにとどまりません。なんと今作には人間と心を通わす恐竜、ラプトルのブルーが出てきます。育ての親の主人公のオーウェンにとって子供の様な存在なんですね。この種を越えた二者の関係性によって、前シリーズでは考えもしなかった〝果たして人間と恐竜は共存できるのか〟という新たな問いが提起されます。とても面白いですね。
『ジュラシック・ワールド』のパークのマスラニCEOが責任者のクレアに「客は楽しんでいるか?恐竜は幸せか?」と聞くシーンがあります。それに対して「お客の幸福度は90%以上です。恐竜の幸福度は測れませんけど…」と答えます。まさにこの作品のテーマである〝共存〟に対する問題提起になるような会話です。そしてCEOはこう続けます。
「設立の目標を忘れるな。人間がいかに小さく幼稚かを教える施設だ」と。これを聞いて、20年前の大惨事から学んだ、頼りになるCEOだと思う人もいるかもしれません。ただ、私達は本編を観て、別の意味で、〝人間がいかに小さく幼稚か〟を知ることになります。そう簡単にはいかないのが、この『ジュラシック・ワールド』の醍醐味であり怖さなんですね。
『ジュラシック・ワールド』の注目のシーンは!?
名シーンも色々とあるんですが、特に注目のシーンは、インドミナス・レックスが厳重な檻から脱走するシーンです。このシーンこそが、この恐竜がいかに賢くて人間にとって脅威の存在かを思い知らされる重要なシーンなんですね。インドミナスは様々な恐竜の遺伝子を掛け合わせたハイブリッド種で、様々な能力を持っているんです。その能力の一つを巧みに使って罠を張り、ついには檻からの脱走を成功させてしまいます。
ただ、これはほんの序の口なんですね。インドミナスはこの他にも様々な能力を持っていて、様々な方法で人間を恐怖に陥れるんです。怖いですね。一体どんな能力なのか、是非皆さん注目して観てもらいたいです。
沢山の小ネタというべき面白いシーンもありますが、序盤のシーンで、恐竜の足だと思ったら小鳥の足だったというシーンがあります。これは鳥類こそが恐竜の最も近い祖先であることを端的に語った素晴らしいシーンですね。放送してすぐの場面になりますので注意深く観てみてください。
実はこのジュラシック・ワールドというパークは旧ジュラシック・パークの施設と同じ島にあって、旧パークは手付かずになってるんです。
インドミナス・レックスは本当に強くて終盤になっても、何をしても歯が立たないんですね。そこでクレアは最後の手段として、過去のジュラシック・パークのエリアに足を踏み入れ、自分の権限を使ってある判断を下します。この予想外の行動にニヤリと笑う旧シリーズファンもいるかもしれません。是非ご自分の目で確かめてください!
『ジュラシック・パーク』3部作との違いは!?
本作と前シリーズの全く違う点は、本作に登場するテーマパークはちゃんと運営されていて、この日もすでに2万人という来場者がいるということ。もし、ここに恐竜が放たれたら、と思うと、ゾッとしますよね。怖さの迫力という意味でも前シリーズを凌ぐのが本作と言えるでしょう。また、前のシリーズ作品には必ず子供が出てきたんです。大人の起こした思惑の皺寄せで、実際に子供が酷い目に遭うという構造になっているんですね。まさにリアルの世界で起こっている社会問題の構図を反映している様ですが、実は、本作にも子供は出てきます。パークの責任者クレアの甥っ子達が出てくるんです。しかも、このクレアと甥っ子達との関係性というのが、まさに前シリーズ一作目のグラント博士と子供達のように、子供に無関心な大人と子供達の関係性を彷彿とさせるんですね。こういった部分にシリーズ作品としての醍醐味があるのも面白いところですね。クレアは施設内のジャングルに行く時もハイヒールを履いている。これこそが彼女のパーソナリティを語る一つの要素として重要です。
注目すべきキャラクターは!?
たくさん魅力のあるキャラがいる中で、ロウリー ・クルーザーズというパーク内の中枢を取り仕切るメガネをかけたオペレーターがいるんです。皮肉屋で軽いノリの男で一見頼りなさそうなんですが、言ってることは、とてもまともな愛嬌のあるキャラなんですね。僕の大好きなキャラです。地味に活躍するキャラですので、是非チェックしてみてください。
- 『ジュラシック・ワールド』(2015 米)
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今夜9時00分~11時24分 本編ノーカット ※放送枠30分拡大
◆監督:コリン・トレボロウ
◆製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、トーマス・タル
◆製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー
◆脚本:リック・ジャッファ&アマンダ・シルヴァー、デレク・コノリー&コリン・トレボロウ
◆キャラクター原案:マイケル・クライトン◆出演 オーウェン:クリス・プラット(玉木宏)
クレア:ブライス・ダラス・ハワード(木村佳乃)
ホスキンス:ヴィンセント・ドノフリオ(石塚運昇)
グレイ:タイ・シンプキンス(松岡茉優)
ザック:ニック・ロビンソン(内山昂輝)
バリー:オマール・シー(安元洋貴)
ヘンリー・ウー博士:B・D・ウォン(近藤浩徳)
マスラニ:イルファン・カーン(大塚芳忠)【ストーリー】
恐竜の謎と優れた特性を体験し、至近距離でふれあうことができる高級リゾート「ジュラシック・ワールド」。このパークのマネージメントに意欲満々の野心家クレアの元へ2人の甥っ子、16歳のザックと11歳のグレイが訪ねてくる。フリーパスを渡された2人は、ジャイロスフィアという360度周りが見渡せるアトラクションに乗って恐竜の間を回っていた。しかしその時、あまりの凶暴さゆえに隔離状態で飼育されていた、禁断の遺伝子組み換え大型恐竜「インドミナス・レックス」が逃亡し、ジャングルの奥深くへと姿を消す。それはパーク内のすべての生き物の命が危険にさらされていることを意味していた…。