金曜ロードショーでは、最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の公開を記念して、「インディ・ジョーンズ」の前作、前々作を放送!
公開がいよいよ来週に迫った待望の最新作をより楽しむために、今夜はぜひ、金曜ロードショーで、前々作『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』をご覧ください!
本作の舞台は1938年。キリストが最後の晩餐で使用し、永遠の命を得ることができるという“聖杯”を巡って、インディが再びナチスと争奪戦を繰り広げます!また、本作ではフランチャイズで初めてインディの父親ヘンリーが登場!インディとの父と子の葛藤や対立も描かれています。演じるのは、初代007で知られる名優ショーン・コネリー!さらに、早逝した伝説の俳優、リバー・フェニックス演じる、インディの少年時代も描かれ、トレードマークの帽子やムチ、ヘビ嫌いになった訳など、彼にまつわる数々の謎が明かされます。そんな本作の魅力を映画大好き芸人こがけん が語ります!
【こがけん コメント】
映画大好き芸人こがけんです。
「インディ・ジョーンズ」最新作公開を記念して金曜ロードショーでは、今週からシリーズ前2作をつづけて放送します!
まず今夜は、「最後の聖戦」!ホントに素晴らしい作品ですねー。シリーズ3作目になるのですがここから見ても、しっかり楽しめます!
【『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の見どころは?】
あらすじは、キリストの聖杯を探すように依頼されたインディが、同じ考古学者である父親と冒険するという物語なんですが、この作品の魅力は何と言っても〝シリーズ初の親子を描く物語〟ということですね!ハラハラドキドキの冒険活劇の面白さはそのままに、〝親子関係〟を丁寧に描いたという意味で、シリーズの中で大きな分岐点となる作品です!
親子関係と言っても、インディの息子ではなく彼の父親との話です。今まで大冒険に挑んできたあの勝気なインディが全く父親には頭が上がらないんですね。しかも関係性は最悪。面白そうでしょう?
そして、父親役を演じるのはなんと名優ショーン・コネリー!ただ、実はショーン・コネリーはハリソンと12歳しか離れてないんですね。普通なら無理があります。では、なぜ父親役にキャスティングしたのでしょう!?
これにはある運命的な理由があるんです。このインディ・ジョーンズシリーズ、実はスピルバーグ監督が大好きな 007シリーズを意識した作品で、スピルバーグ版007とも言える作品なんですね。だからこそ、父親役に初代ジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーを抜擢したわけです。しかも彼は、あるインタビューではキャリアの中でこの役が最も好きだと答えたそうです。この事実を知ると、この二人の演技がさらに味わい深くなりますよ。本編が楽しみですね。
【注目のシーンは?】
名シーンも色々とあるんですが、特に注目のシーンは…インディーのルーツが分かる、インディーの青年時代のシーンですね!本作は序盤、若き日のインディーを描きます。ここで、彼がヘビを恐れる理由、牛追いムチを使う理由、あごの傷の理由、いつも被っている(フェドーラ)帽子をどこで手にいれたのかという重要な出来事が描かれますが、描くトータルの時間はなんと15分!ただ、その時間以上の見どころの多い大満足なシーンなんですね!特に列車の中でのアクションシーンは見事の一言です!
さらにこのシーンは、馬、それを追う自動車に列車という、まるで西部劇の歴史を辿るかの様な、映画的な高揚感を覚えるシーンでもあります。必見ですよ!
インディの青年期を演じるのは名優リバー・フェニックス。『スタンド・バイ・ミー』でクリスを演じたことで有名な役者ですが、彼の聡明さとカリスマ性、そして若さ溢れる演技のインパクトは当時、僕自身、子供ながらに感動したのをはっきりと覚えています。線路を馳けるリバーの背中がまさに青春を体現していてたまらないんですね!実は彼を青年時代のインディ役に抜擢したのは、ハリソン・フォード自身なんです。この演技を見れば皆さんにも納得していただけるでしょう!
他に、本作で特に観て欲しいのは、インディと父親ヘンリーとのやりとりのシーンです。父親ヘンリーも考古学者ですが、インディとは性格が正反対で、穏やかでどんな状況でもマイペースなんです。この二人の噛み合っているようで噛み合ってないやりとりが何とも面白いんですよ。
ヘンリーをインディが助けに行くシーンがあります。見つかったら殺されるかも知れないとても緊迫感のあるシーンのはずが、、、そうはならないんです。まず、ヘンリーが捕えられてる部屋にインディが忍び込むんですが、ヘンリーは敵だと勘違いして彼の頭を花瓶で殴るんですよ。すぐにインディだと分かるんですが、インディよりも価値のある花瓶を割ってしまったことを後悔するんです。さらに、インディの方はインディの方で、ヘンリーに〝ジュニア〟という呼び名で呼ばれたことと、自分の頭を心配してくれてないことに腹を立てる。そんな悠長なやり取りしてるような状況じゃないんですよ!ただ、お互い顔を合わせると、あっという間に青年時代の親子関係に戻ってしまう。
この後も、銃を突きつけられるような状況だったり、どんなピンチな状況でもヘンリーは平気でインディに説教するんです。このやりとりがとても面白くもあり、微笑ましいんですね。
ヘンリーは敬虔なキリスト教徒でもあります。あるシーンでは、自分たちのおかれた絶望的状況にインディが「助けてよ、神様!」と嘆くと、ヘンリーは軽々しく神の名を唱えたことに腹を立てインディをビンタして叱るんです。その時のインディのヘコみっぷりはまさに、息子としてのものに他ならないなんとも良い表情なんですね。
度々衝突する二人ですが、そもそもこの話は失われた親子の時間を取り戻す、関係性の修復の話でもあるんですね。この二人の関係性が冒険の中でいかに変化していくのか、これが本作の1番の見所と言ってもいいでしょう。
実はこの作品、スピルバーグ自身が父親になったことで、彼自身の心境の変化が投影された作品なんです。関係性がうまくいっていなかった実の父親に対する赦しと和解が裏テーマなんですね。だからこそ他のシリーズ作品にはない物語の奥行きがあり、シリーズ最高傑作とも言われているわけです。
そして、昨年監督自身が撮った自伝『フェイブルマンズ』も踏まえて鑑賞するときっと新しい発見があるかもしれませんよ。
作中ヘンリーはインディを〝ジュニア〟と呼んでいます。ですが終盤にその呼び方を変えるシーンがあるんですね。とてもとても物語にとって重要で心揺さぶるシーンです。お見逃しなく!シリーズの中で最も心温まる作品と言っていいでしょう。
- 『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989米)
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今夜9時00分~11時29分 ※35分枠拡大
◆監督:スティーヴン・スピルバーグ
◆製作:ロバート・ワッツ
◆原案:ジョージ・ルーカス/メノ・メイエス
◆脚本:ジェフリー・ボーム
◆音楽:ジョン・ウィリアムズ
◆製作総指揮:ジョージ・ルーカス/フランク・マーシャル
◆撮影:ダグラス・スローカム
◆編集:マイケル・カーン
◆プロダクション・デザイン:エリオット・スコット
◆出演
インディ・ジョーンズ:ハリソン・フォード(声:村井國夫)
ヘンリー・ジョーンズ:ショーン・コネリー(声:若山弦蔵)
マーカス:デンホルム・エリオット(声:内田稔)
エルザ:アリソン・ドゥーディ(声:塩田朋子)
サラー:ジョン・リス=デイビス(声:飯塚昭三)
ドノヴァン:ジュリアン・グローバー(声:小林勝彦)
インディ少年:リバー・フェニックス(声:鳥海勝美)
大佐:マイケル・バーン(声:青野武)
老騎士:ロバート・エディソン(声:納谷悟朗)
サルタン:アレクセイ・セイル(声:青森伸)【ストーリー】
舞台は1938年。キリストが最後の晩餐で使用し、永遠の命を得ることができるという“聖杯”を追うナチスは、聖杯の権威であるインディの父・ヘンリーを誘拐。インディは、父・ヘンリーが消息を絶ったベネチアで父の同僚シュナイダー博士と合流し、父から託された聖杯日誌を頼りに、聖杯の在処を探す。ネズミだらけのベニスのカタコンベ(地下墓地)を駆け抜け、ナチスの戦闘機との決死ドッグファイトに挑み、さらには、強大な火力を誇る戦車に果敢に立ち向かうインディ。果たして聖杯を手にするのはナチスか、インディか!?