知れば知るほど楽しくなるハリー・ポッターの世界! あのシーンはどのようにして撮影されたのか?あなたの「もっと知りたい!」がここで解決!空前のファンタジー映画「ハリー・ポッター」シリーズの魅力にさらに迫ります!
今回はシリーズ最終章「死の秘宝」を2本に分ける決断をするまでの経緯など、「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」の制作裏話をお届けします。
知れば知るほど楽しくなるハリー・ポッターの世界! あのシーンはどのようにして撮影されたのか?あなたの「もっと知りたい!」がここで解決!空前のファンタジー映画「ハリー・ポッター」シリーズの魅力にさらに迫ります!
今回はシリーズ最終章「死の秘宝」を2本に分ける決断をするまでの経緯など、「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」の制作裏話をお届けします。
2007年7月21日に「死の秘宝」の原作が出版されたとき、製作チームの途方もない挑戦が始まりました。シリーズ最終章となる原作の本は分厚く、とても1本の映画に収まりそうになかったからです。
原作を映画2本に分けるという考えは、以前「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」のときにも浮上し、そのときはストーリー展開に不可欠な部分にのみ焦点を当てれば、1本の映画にうまく収められると判断し、映画製作が進められましたが、「死の秘宝」の場合は、物語が複雑に絡み合い、短縮することが難しいと判断されました。
プロデューサーのデイビッド・ヘイマンは「死の秘宝」を2つに分けるかどうかについてこう語っています。「2時間半〜3時間の映画に凝縮するには、あまりにも多くのものを切り捨てなければならないと感じたんだ。それでは、この映画が納得できないものになるだけでなく、ハリー・ポッターの全シリーズが損なわれてしまう。ハリー・ポッターは各作品の物語が集まって、一つの大きなストーリーを作っているんだ。最終話にはたくさんの情報が含まれていて、それまで隠されている多くの真実が、感情的にも、物語的にも解決するようになっている。1本の映画にしてしまうと、最後の解決部分が満足のいかないものになる恐れがあったんだ。」
監督のデイビッド・イェーツも作品を2つに分けることに賛成しました。「僕にとっては、たいした決断じゃなかったんだ。まず、ヘイマンとバロン(プロデューサー)が『これは2部構成にするのがいいと思う。きみはどう思う?』と言ってきた。脚本を担当したスティーブ・クローブスも2部構成にするべきだと言っていた。僕はスティーブの勘を信じているので、物語を一つの脚本にまとめれば問題が起きるとスティーブが考えるなら、その通りだと思ったんだ。」
最終的に製作チームは、2本の映画にするという判断を下しました。そして即座に、2本の映画を同時に撮影するべきだという結論に達しました。その結果、1年半に及ぶ撮影という、シリーズの撮影では前例のないスケジュールが組まれ、撮影がスタートしたのです。
「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」で印象的なシーンが、冒頭の“ハリー救出作戦”です。ハリーが暮らすダーズリー家に、ホグワーツの友人や不死鳥の騎士団が集合。ハリーを魔法界に連れ戻すため、7人のメンバーがポリジュース薬を飲み、ハリーに変身します。
7人のハリーを登場させるのに、一体どのような撮影方法が取られたのでしょうか?
ハリーを演じるダニエル・ラドクリフが一度に7人を演じるには、もちろんCGの助けが必要です。イェーツ監督は事前に、このシーンの“アニマティクス”を手に入れていました。アニマティクスとはコンピューターで作成した各シーンの完成見本です。監督とキャストはその見本を見ながらCGと合成したときに完璧な映像になるように同じ動きを何度も繰り返しながら撮影をしました。
「あんなに複雑なシーンは最初で最後だね。」とハリーを演じたダニエルは振り返ります。「みんなが僕に同化していって、誰が誰だか分からなくなるんだ。僕はみんなの格好をして、みんなが僕の格好をするから、本当に頭が混乱するよ。でも大変な撮影だったわりにはスムーズに行ったんじゃないかな。」
イェーツもこのシーンには特に神経を使いました。「短いシーンではあるけれど、技術的にも複雑で、とにかく時間がかかる。それに段取りがたくさんあるんだ。たった8秒間の見せ場を撮り終えるのに、大変な手間がかかったよ。でもおかげで楽しいシーンが完成した。」
この1シーンを撮り終えるのに数日間、計96テイクが必要でした。
ダニエルは「一つのシーンの為に撮影されたショット数の記録を破ったと思うよ。一番面白かったのはフラーの衣装が結構似合っていたことかな。」と過酷な撮影にも関わらず、楽しんで演じることができたそうです。
「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」は11月16日(金)よる9時〜放送です。