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2019.7.18

サマーウォーズ公開から10年。OZの世界は現代でどこまで実現された?徹底比較してみました!

今週7月19日よる9時からは「サマーウォーズ」を初の本編ノーカットで放送します。
2009年8月1日に公開された「サマーウォーズ」は今年で10周年を迎えます。
ちょっと気弱な男子高校生が、あこがれの先輩とその大家族とともに“愛”と“絆”を武器に世界の危機に立ち向かう壮大な感動物語。現実世界と密接に関係した仮想世界“OZ”がハッキングされるところから物語は始まり、様々なインターネット上のサービスやテクノロジーが登場します。
今回は10年前の「サマーウォーズ」の世界が、2019年の現代でどこまで実現しているのか、を徹底比較してみたいと思います!

OZのイメージ

①婚姻届やパスポート発行までできるOZの行政機関・地方自治体電子サービス

OZのイメージ

「サマーウォーズ」では多くの行政機関や地方自治体がOZに窓口をおいており、納税、住民登録、パスポート発行、婚姻届など各種手続きがインターネット上で行うことができ、選挙もインターネット上で行われます。
映画の中では大学生と偽っていたケンジの素性が、OZの住民基本データで検索されたことにより、バレてしまうというシーンも出てきますね。
ここ数年で国税に関しては「e-Tax」が導入され、インターネット経由で申告・納税ができるようになりました。地方自治体によっては住民税の納付を電子決済サービスで対応できるところも出てきています。2016年からマイナンバー制度が開始されたことにより、少しずつインターネット上でできる手続きも増えてきていますが、OZのように幅広くサポートはされていません。
OZのようにインターネット上でできる手続きが増え、さらに便利になる日が待ち遠しいですね!

②一瞬で翻訳され、世界中の人々と楽しく会話できるAI自動翻訳

自動翻訳のイメージ

OZの登録者数は10億人以上で全世界中の人々が登録しており、使っていない人が珍しいほど!そんな全世界中の人々がいるOZの世界でのコミュニーケーションを可能にするのが「自動翻訳機能」で、あらゆる言語が一瞬で翻訳されます。
現代の日本では、2016年に「AI(人工知能)」が流行語大賞にノミネートされ、映画公開時よりは「AI」という言葉がメジャーになりました。自動翻訳機能もあらゆるサービスで導入されていて、2017年頃から精度の高い小型自動翻訳機や通訳機がどんどん発売されています。他にもスマートフォン用のアプリなど、翻訳ツールの精度は日々上がっていて、外国語が離せなくても外国人とコミュニーケーションをとることができるようになってきました。OZの世界のような自動翻訳が身近になってきたと言えるのではないでしょうか。

③佳主馬が才能を発揮した「eスポーツ」

eスポーツのイメージ戦うキング・カズマ

「eスポーツ」とは「エレクトロニック・スポーツ」の略でコンピューターゲームやビデオゲームを使った競技・スポーツ全般を指します。
「キング・カズマ」というアバターを持つ佳主馬は、万助おじいちゃんからOZ経由で少林寺拳法を習ったことにより、OZマーシャルアーツ(OZの格闘技統括団体)の世界的チャンピオンになり、有名になります。
現代の日本でもここ数年でよく聞かれるようになりましたが、アメリカや中国、韓国ではeスポーツの発展はすさまじく、桁違いの市場規模となっています。オリンピックの正式種目化も検討されているといわれているeスポーツ。日本ではまだこれから発展していく競技ですが、世界での爆発的発展をみると、OZマーシャルアーツの実現はそう遠くはないかもしれませんね。

④アメリカ帰りの侘助が持っていたiPhone

iPhoneを持つ侘助フィーチャーフォンで話す夏希

iPhoneは2007年にアメリカでApple社から発売されました。日本では3G通信に対応した「iPhone3G」が2008年夏に発売されましたが、「サマーウォーズ」公開当時の2009年は今のように誰もが持っているものではなく、携帯電話と言えば「フィーチャーフォン」、いわゆる「ガラケー」が主流でした。
本作の中でも侘助以外は皆ガラケーやパソコンからOZにアクセスしています。侘助はアメリカ帰りで人工知能の研究に没頭するなど最先端テクノロジーに精通していたことから、作中では唯一iPhoneを使用していたと思われます。
その後2010年代に入り、Android端末が発売されたり、通信環境が飛躍的に良くなったことでガラケーよりスマートフォンの普及率が増え、2017年にはパソコンよりも保有率が上回ったとされています。
スマートフォンやそれに伴う通信環境に関しては、サマーウォーズの世界よりも現代の方が発達していると言えるかもしれません。10年間でここまで凄まじく発展してきたスマートフォン!今後の更なる発展が楽しみですね!

⑤細田監督がOZを発想するきっかけとなったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)

SNSのイメージ健二のアバター

細田守監督がOZを発想するきっかけとなったインターネット技術の1つがSNSで、当時流行していたのが「mixi」。会員制のコミュニティサービスで映画公開時は約2400万人が登録していました。その後、TwitterFacebookが日本でもどんどん広がり、インターネット上でのコミュニケーションが当たり前になり、昨今では「インスタ映え」が流行語大賞になるほどInstagramが普及し、SNS特有の言葉や文化など様々な新しい流行や習慣が生まれています。
また、本作では健二のアバター(アカウント)が盗まれてしまい、いわゆる「なりすましアカウント」となってしまいます。なりすましアカウントやアカウントの乗っ取り被害もSNSの発達と共に近年問題となっていて、OZで起きた問題が現代でも起きており、日々色々なサービスが対応に追われています。
便利で楽しいものが間違った使い方をされたり、暴走してしまうととても恐ろしいもの。OZを混乱に陥れた「ラブマシーン」のような脅威や問題が現代では起きないように、ルールやマナーをしっかりと守って利用していきたいですね。

いかがでしたでしょうか?
他にもOZでは、医療IoTやクラウドワーキング、仮想現実など、現代で目にするテクノロジーがたくさん登場します。OZの世界がどこまで現代で実現されているか、に注目しながら、作品をみるとまた違った楽しみ方ができますよ!
今週7月19日(金)よる9時〜「サマーウォーズ」初の本編ノーカット放送です。お楽しみに!!

クラウドワーキングイメージ仮想現実のイメージ

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